お肉が大好きな天使

お肉が大好きな天使…? 今日は私の愛する(笑)ルームメイトのアメリちゃんのお話。フランス人のアメリちゃんとはヨルダンで3年間一緒に暮らしました。このブログにもたびたび登場しているので、ずっと読んでくださっている方にはお馴染みの人物かもしれません。以前に書いた記事では、結構詳しくアメリちゃんのことをご紹介しております。http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201309140000/ あ、ちなみに「アメリ」というのはブログ上のニックネームで、彼女の本名ではありません。

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さて、私たちは国籍も外見も全く違うけれど、自他ともに認める大の仲良しでした。私はこれまでの人生でこんなに仲良くした人は初めて。一緒に住んでいた3年間、ケンカや言い争いをしたことがありませんし、意見が極端に食い違うということもありませんでした。

仲良くできた最大の要因は、お互いにリスペクトし合っていたこと…これに尽きるかと思います。そう、アメリちゃんは私に全くない特質を持っていて、私はアメリちゃんに全くない特質を持っていました。でも、似ている部分も多くて、お互いに研ぎ合うことができる関係でした。

そんなアメリちゃんとの共同生活は、この春をもって終了…。アメリちゃんはフランスに帰りました。というわけで、アメリちゃんが今後このブログに登場する機会はぐっと減ります。ですから、今日はアメリちゃんにまつわるお話をしたいと思います。

仲良しの友達とお別れをするのはすっごく辛いこと…のはずだったのですが、実はお別れの当日まで私達2人ともかなり忙しい生活していたために、お別れのときは体力的に疲れ果てていてボーッとしていたので…事の深刻さに気付かないまま別れてきました(笑)。

今でも連絡を取り合っていますし、私がフランスに行く予定もあるので、なんだかお別れらしい「お別れ」ではありませんが。でももうアメリちゃんと今後一緒に共同生活をすることはないというのは、やっぱり悲しいな~と思います。

さてアメリちゃんは、本当に天使のような女性でした。実は彼女はフランスでは看護師をしているので、まぁ、実際のところ「白衣の天使さん」ではあるのですが。で、私がなぜ彼女を「天使」と呼ぶかというと、本当に純粋できれいな心を持っているんです。よくまぁこんな人が人間の母親のおなかの中から生まれてきたな、という感じ(笑)。真摯でいつも他の人を気遣っている…そんな人でした。

ところがそんな彼女、お肉が大好き!! お肉好きがたたって E型肝炎にもかかったことがあります。よく、「お肉を食べすぎたら性格が攻撃的になる」なんてことも言われますが、お肉大好きっ子のアメリちゃんは慈しみ深くて親切でピュアで…そう、「お肉が大好きな天使」だったんですよね~。

さて、アメリちゃんは他の人を傷つけたくないという気持ちが強すぎて、言いたいことが言えない、だから傷つけられることも多くて、あまりに傷ついた時は家に帰って泣いている、ということもたまにありました。ところがアメリちゃんは弱いのではなく、かなり強く自分の意見を持っています。ただ、人を不快な思いにさせたくないという気持ちがあまりに強いので、口を閉ざしてしまうのです。が、アラブ社会では、そんなアメリちゃんは都合のよいようにあしらわれてしまう。だからアラブ世界でかなり苦労していました。

その点私は、必要な時にははっきりと自分の意見を言います。アラブにはガツンと言わなければいけない時もある。これは、アラブ世界で仕事を始めてから学んだことです。言わなければ、いつまでも相手の都合のよいように軽く扱われるし、リスペクトもされない。「意図を汲んでよ」「言わなくても分かってよ」的な日本人的思考では生き残れない世界です。

そんな私はアメリちゃんから「言わないこと」を学び、アメリちゃんは「言うこと」を学びました。アラブ社会で仕事をしてきた私は、物わかりの悪いアラブとはいえ、言い過ぎてとどめを刺すことも多々あり、アメリちゃんから「言わなくてもいいこともある」ということを教えられました。反対にアメリちゃんは「世の中には言わないといけないこともある」ということを教えられたといっています。

そんな私達、共同生活を始めたまだ初期の頃に、今では笑い話になる出来事がありました。夜遅くに二人でタクシーに乗った時のこと。アホなタクシードライバーに当たってしまい、車を降りるときにメーター通りにお金を払おうとするとその倍を要求してくる。メーターに表示されている通りにしか支払いませんから、というと、このメーターは間違っている、このタクシーは特別なタクシーだから倍払う必要がある…などと訳分からん事をのたまい始める。

見切りをつけた私は、メーターに表示された料金を払ってさっさと車を降りるつもりでいました。いらんことをグダグダいうんやったら払わへんで! というような勢いで。が、衝撃的なことに、まだヨルダン初心者だったアメリちゃんは、タクシードライバーに何とか分からせようと親切な説得を試み始めたのです。座席から動こうともしない。

そんなことしても意味ないねん! コヤツは理論で攻められへんねん!! 支離滅裂なことをわざと言っているだけで、説得なんてされへんねん! そんな態度でいたら付け込まれるだけやで~。最終的に倍の値段を払うことになってしまう!!! と心で叫ぶ私。そして、私の予想通り、この男は付け込めると思って攻撃性を増してきました。アラブ男性にありがち。相手が弱いと思うと、声を荒げ怒鳴ってくる。ああ、そしてなんとアメリちゃんは法外な料金を払おうとする―――――!!!

そこで私は、「Why are you discusing? You don’t need to discuss with him! Just throw the money on the seat and get out!!!」(なんでこんな男と話し合う必要がある? 座席に料金を投げて降りよう‼)と叫びまして、メーター通りの料金を投げつけてさっと車を降りて、ついでにアメリちゃんを引っ張り出しました。この男、汚い言葉でののしっていましたが、去っていきました。

私にとっては、親切に話し合おうとするアメリちゃんが衝撃的でしたが、アメリちゃんにとっては私がお金を投げつけて車を出たことが衝撃的だったらしく、あまりの衝撃の大きさに青ざめてブルブル震えていま
した(笑)。が、後ほどフランスに住むレバノン人の友達にこの話をしたら、「ブラボー、Naoko のほうが正しいよ」と言われたらしく、ま、私にとってはどちらが正しいかわかりませんが、いずれにしても、理論が全く通じないアラブにはこうするしかない、というのが現実。相手は自分が支離滅裂なことを言っているの、知っていますからね。だから悪徳なんです。

この出来事は、二人が出会った初期の初期の頃でしたから、お互いをまだ知らない時。お互いに衝撃的な出来事で、いつまでも笑い話になります。その後、アメリちゃんはだんだんとアホなタクシードライバーの対処法を心得るようになり、相手の思い通りには行かないゾという態度を示せるようになりました。嫌なこと、理不尽なことはきっぱりと拒否できるようにもなりました。

が、本来の彼女の性格からかけ離れたことが要求されるこうしたヨルダンの日常…やはりストレスは大きかったようで、筋肉は硬直するし、肝炎にはなるし、不眠にもなったり…とかなり不調でした。私がよくお灸を背中にしてあげたりマッサージをしてあげたりして…アメリちゃんからは「ドクター」と呼ばれていた私…。彼女のほうが看護師なのですが、東洋医学に関する知識が全くなかったアメリちゃんは、西洋医学より東洋医学のほうが納得がいくとよく言っていました。

そんなわけで、お互いに修羅場を一緒に乗り越えてきたヨルダン生活。こんなに気が合う人は今後もなかなかいないかもしれません。私のヨルダン生活がとっても充実した楽しいものであったことと、アメリちゃんの存在は切っても切り離せません。ホントにありがとね~。これからもアメリちゃんとの友情は続いていくと思いますが、彼女と過ごした3年間は本当にスペシャルでした。

こんな風に温かい友情を築くことができたことは、私の今後の人生の糧(かて)になると思います。”お肉が大好きな天使” に幸 (さち) あれ!!


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中東を旅するツアーコーディネータ。ヨルダン・レバノンに7年間滞在後、現在はトルコ在住。アラブ世界で泣いたり、笑ったり…異なる文化と言語に囲まれて奮闘する中東での生活をレポートします。地元密着の情報もどんどんアップしていきます。