ヨルダンのカラック・ドイツのベルリン共に IS が犯行声明

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いやぁ、2016 年の終わりを目前にこんな嫌なニュースが流れるなんて…。12月18日に起きたヨルダンのカラック襲撃では 10 名が亡くなり、34 名が負傷したということです。12月19日に起きたドイツはベルリンでのクリスマスマーケット襲撃事件では 12 名が亡くなり 48 名が負傷したということ。どちらも IS が犯行声明を出しました。
 
↑ ヨルダンで今回殉職された警察官のお葬式の様子。アルジャジーラからお借りしました。
ヨルダンに関していえば、市民を巻き込む今回のような事件は10年以来の事。2006年にローマ円形競技場で発砲事件が起きたようですが、その後はセキュリティも強化されて市民やツーリストを巻き込むような事件は起きていませんでした。ですから今回のような事件は、ヨルダンに手痛い打撃となります。ヨルダンでは12月20日にもカラック近郊の町 Wesya で銃撃戦が起きていますが、これは今回の襲撃と関係がある人物のアジトを警察が差し押さえるために起きたもので、市民やツーリストを巻き込んではいません。
ドイツに関しては…難民を積極的に受け入れてきたメルケル首相への非難がまた高まりそうです…。この事件ではチュニジア人の難民が犯人なのではないかといわれています。犯人は現在も逃走中。でも警察としてはたくさんの証拠があるので、犯人を追い詰めることは容易だという見解。
どの国にも IS の理念に賛同する「ならず者」たちが存在します。ドイツに関していえば、内戦が起きているシリアやイラクだけではなく、エジプトやチュニジアなど直接には内戦が起きていない国々やセルビア、アルバニア、アフリカの各地などありとあらゆる国々から人々が押し寄せています。
どの人が本当に「難民」として受け入れるのに値するのか…見極めるのは至難の業。ですから難民申請を出してから実際に受理されるまでかなりの時間がかかります。その間、難民キャンプに住むことを余儀なくされる難民の中には、ドイツ社会に溶け込めず、不満だけを募らせる難民がいるのも事実。こうした不満の塊のような難民が過激化するというのは十分あり得ることです。それに実は過激化するのは難民だけではない。ドイツ人の中にも過激化して IS の戦闘員になる者もいるし、事実、ヨーロッパ各地から IS の戦闘員としてシリア入りしている若者たちの数は何千人にも上るといわれています。
ヨルダンに関しては国自体がリッチではないし、経済困難にあえいでいる。夢も希望もない若者たちが IS の理念に賛同する土壌が残念ながらすでに出来上がっています。IS の思想が国境を越え、海を越えて世界各地に撒かれている。IS 戦闘員には間違った宗教的信条に基づいた根っからの過激主義者もいるはずですが、ほとんどの場合、社会に失望した目的も目標もない若者たちが餌食になっていると思います。社会はそれに代わるものを提供できていない。インターネットを通して IS と連絡を取り合うことも、今の時代にはあっけなくできてしまう。
以上のことを踏まえると、残念ながら、現実的に言って今回のような事件は今後も増え続けると思います。こんなことを書くと、日本の内向き志向がさらに強まりそうですが…。日本にさえいれば安心、日本から出なければ安心という信仰。私はこの点には甚だ疑問を感じますが、いずれにしても住みにくい世の中になったことは事実。犠牲者のご家族に心からの哀悼の意を表明したいと思います。


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中東を旅するツアーコーディネータ。ヨルダン・レバノンに7年間滞在後、現在はトルコ在住。アラブ世界で泣いたり、笑ったり…異なる文化と言語に囲まれて奮闘する中東での生活をレポートします。地元密着の情報もどんどんアップしていきます。