1-1. ギザのピラミッドとスフィンクス

クフ王、カフラー王、およびメンカウラー王が建造したギザのピラミッド群は、エジプトの建築術の偉業で最もよく知られたものです。最大のものはクフ王のピラミッドで、基底部の面積は約5.3㌶あり、頂上までの高さはおよそ137㍍ (現代の40階建てのビルディングに相当する高さ) といわれています。平均重量2.3㌧の切り石が230万個使用されたものと計算されています。切り石は非常に注意深く形が整えられたため、積み合わされる際の誤差はわずか数ミリしかありませんでした。

1-2. カイロ周辺のピラミッド群 (サッカラ、メンフィスなど)

サッカラのジョセル王の階段式ピラミッドは西暦前3千年紀のものと推定されており、切り石を用いた大建造物として残存する最古の例の一つです。

2. ルクソール

かつてエジプトの首都であり、ギリシャ人には「テーベ」という名前で知られていました。この都市は「アモンの都市」とも呼ばれています。これは同市がアモン神崇拝のおもな中心地となったからです。ファラオたちはこの地に数々の巨大な記念碑や神殿を建ててナイル川東岸(カルナックとルクソールがある)の広大な地域を埋め尽くし、西岸にも幾つかの荘厳な神殿と巨大な墓所を建てました(王家の谷 + 王妃の谷、古代都市テーベとその墓地遺跡、メムノンの巨象、ハトシェプスト女王葬祭殿など)。カルナックにあるアモンの神殿は人間が建てた最大の円柱建造物であると考えられており、円柱の中には直径が約3.5㍍あるものもあります。

3. ナイル川中流域の遺跡 (ホルス神殿、コムオンボ神殿など)

ホルス神は、ハヤブサまたはハヤブサの頭をした人物として表現されます。このホルスに捧げられたホルス神殿は建築に約200年ほど要したといわれており、エジプトの遺跡の中でも最も保存状態が良い神殿です。コムオンボ神殿はワニの形を取るセベク神とハヤブサの形をしたホルス神の両方に捧げられた神殿で、左右が異なる神殿が合体した作りになっています。

4. アスワン

切りかけのオベリスク、アスワンハイダム、フィラエ神殿などの見どころがあります。お時間のある方は、ヌビア博物館やヌビア村などに足を延ばされても良いかもしれません。ヌビアとは、エジプト南部アスワンあたりからスーダンにかけての地域の名称です。アフリカ系の黒い肌を持つヌビア人はエジプト人とは人種的に異なり、独自の文化を大切にしています。しかし、アスワン・ハイ・ダムという巨大なダムが作られたことでナイルの水位が上がり、河畔に定住していたヌビア人は住むところがなくなって移住を余儀なくされたという経緯があります。

5. アブシンベル

アブシンベルはアスワンからさらに280キロメートルほど南下したところにあります。スーダンとの国境までは40キロメートルほどしかありません。アブシンベル神殿は自己顕示欲の強いラメセス2世が自分の権力を誇示するために建てた神殿で、4体の巨大な像はすべてラメセス2世自身です。各像の高さは20メートルを超えるといわれています。神殿の中にもラメセス2世の像が8体並んでおり、壁にはレリーフが施されています。この神殿は、1960年代にアスワン・ハイ・ダムの建設計画が立てられた時に水没の危機にさらされました。その時にユネスコによって国際的な救済活動が行われました。巨大な遺跡が切り取られて各パーツに分割され、水没しない64メートルほど上方まで運ばれて再び組み立てるという壮大な移転計画が実施されました。これには4年半ほどを要したようです。