ナイル川クルーズ ー 古代エジプト文明の遺跡の数々を訪問する旅 (エジプト)

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エジプトでは、3000年とも3500年ともいわれる歴史を持つ古代エジプト文明が生まれました。その文明の起こりと発展はナイル川があってこそのものでした。ナイル川がなければ、エジプト文明は生まれなかったのです。

 

 

ナイル川は約6,670㌔という長さの世界で一番長い川で、その源流はルワンダとブルンジにあるといわれています。タンザニア、ウガンダ、スーダン、エチオピアなどを通るこのナイル川はエジプトに入ると南から北へと貫いて流れ、最終的に地中海に注ぎます。ナイル川は南から北に流れているので、エジプトの南側を「上エジプト (Upper Egypt)」、北側を「下エジプト (Lower Egypt)」と呼ぶのも、エジプトならでは。

 

エジプト文明はナイル川流域を中心として発展しました。エジプトの国土の90%以上は砂漠で、緑がある土地はナイル川流域にほぼ限られています。

 

エジプトの遺跡のほとんどがナイル川沿いに集中しています。そのため、ナイル川流域のメジャーな遺跡を効率よく回るにはナイル川クルーズがかなり手っ取り早いです。ナイル川クルーズは、この悠久のナイル川を北から南へ、あるいは南から北へとゆったり移動します。ナイル川クルーズとは、ゆっくりと移り変わるナイル川流域の豊かな自然をパノラマで眺め、古代エジプト文明が遺した遺跡を堪能できるまさに非日常の体験。想像以上に贅沢な旅なのです。何度乗っても、また乗りたいと思ってしまう…そんな中毒性すらあるのがこのナイル川クルーズ。

 

 

メジャーなナイル川クルーズは、ルクソール発アスワン着の 4 泊 5 日、またはアスワン発ルクソール着の 3 泊 4 日。先ほどナイル川は南から北へと流れていると書きました。ですから、ルクソールを起点とする場合は川の流れに逆らって航行することになります。つまり、アスワンを起点として川の流れに任せて航行するより 1 日多く移動時間が必要になるというわけです。

 

よりゆったりとした旅を希望される場合はルクソール発、お日にちが限られている方はアスワン発にされると良いかと思います。またクルーズ船は曜日によって出航の場所が異なります。ルクソール発のクルーズ船は月・木・土が出発の曜日となり、アスワン発のクルーズ船は出発の曜日が月・水・金となります。たくさんの種類のクルーズ船がありますが、出発の場所や曜日によってオプションが異なります。

 

ツアーの内容はどのクルーズ船もほぼ同じです。ほとんどのクルーズ船に含まれるのは、ルクソールの東岸(カルナック神殿 + ルクソール神殿)、ルクソールの西岸 (王家の谷、ハトシェプスト女王葬祭殿、メムノンの巨像など)、ホルス神殿、コムオンボ、アスワンの観光地 (アスワン・ハイ・ダムやフィラエ神殿など)、ご希望の場合はアブシンベルです。アブシンベルにはナイル川クルーズ船は乗り入れることができませんので、基本的にはアスワンから専用車でのご移動となります。

 

↑ ルクソールのルクソール神殿

 

↑ ルクソールのカルナック神殿。圧巻の大列柱室には、134本もの列柱が立ち並びます。

 

↑ ルクソールの王家の墓の一つ、メルエンプタハの墓の入り口です。

 

↑ ルクソールのハトシェプスト女王葬祭殿。日陰が全くないので、太陽が容赦なく照り付けます。

 

↑ ホルス神殿の正面にて。ホルス神はハヤブサの姿で表現されます。

 

↑ コムオンボ神殿。ホルス神とワニの頭を持つセベク神、ふたつの神に対して捧げられた神殿で、左右対称の二重神殿という構造が特徴的です。

 

↓ ちなみに夜のコムオンボはこんな感じでライトアップされます。夜も幻想的。

 

↑ アブシンベル神殿。ラムセス二世を祀った大神殿の大きさは圧巻。

 

春から秋にかけての時期、カイロがまだ肌寒くてもルクソールやアスワンでは気温が高くなります。そのため、ご観光は早朝から、あるいは夕方以降になることがほとんど。灼熱のお昼の間は船室でお昼寝をしたり、ゆったりくつろいだりすることができます。夕方以降はデッキに出て、風を頬に受けながらサンセットを見るのが至福の時。あまりにリッチな時間で、悠久のナイル川の流れにゆったり身を任せる幸福感は言葉では言い表せません。数日間なんてあっという間です。ちなみにクルーズ船は3食付きですので、けっこう忙しいのです。

 

こうした観光地はもちろん地上を移動してもご観光いただけます。とはいえ、ナイル川沿いにあるこれらの観光地にはナイル川からアクセスするほうが効率的かつスムーズ。クルーズ船は夜もするすると移動してくれていますので、目が覚めたら次の観光地についているという具合です。クラクションが鳴り響くマナーの悪い道路を移動するよりずっと景色も美しい。

 

 ↑ ナイルの夕焼けは荘厳な雰囲気

 

 

 ↓ ルクソールで迎える朝には気球が見えたりします 

 

さて、ここでナイル川クルーズの選び方を少しお伝えします。

 

もしどうしても乗船したいクルーズ船がおありの場合は、その船舶が何曜日にどこから (ルクソールまたはアスワンのいずれかから) 出港するかによって旅の計画をお立てになることをお勧めします。でもほとんどの方はこだわりのクルーズ船があるというより、旅の予定に合うクルーズ船であれば特にこだわらないとおっしゃるのではないかと思います。とはいえ、5 星と銘打っていても実はそのスタンダードに全然達していない船もあります。ですから、安いからといって飛びつかれることは避けていただく方が良いかと思います。

 

 

当方では、評判が良いクルーズ船のみを厳選してご紹介していますので、実際に乗ってみて質が悪くてガッカリしたというようなことは生じません。ご安心くださいね。また同じ 5 星でも、船によってお値段に差が出ます。そのため、お客様に幾つかのクルーズ船のオプションをお出しして、お値段を比べていただいています。お値段を押さえたいと思われる場合は、4 星をご紹介することもできますが、いずれにしても評判に疑問が残るクルーズ船はご紹介しません。

 

ところで、女性のソロトラベラーでもナイル川クルーズは可能か? と疑問に思われる方もおられるかもしれません。女性一人だと敷居が高い…というイメージがあるかもしれません。結論から言いますと、女性お1人でも大丈夫です。ただしやはり団体客も多いので、食事時に孤独感を感じるのは否めません。クルーズ船では席がグループごとに指定されており、一人での乗船の場合はおのずとテーブルは一人分のセッティング。でもそんなマイナスを補って余りあるのがこのクルーズ体験。

 

ナイルの朝焼け、夕焼け、変わりゆく岸辺の景色を眺める非日常のクルーズ体験でエジプトを全く別の視点から味わっていただけます。私自身、旅するツアーコーディネータとしてのフットワークの軽さを生かし、クルーズ船に実際に乗る視察にも出かけております。もちろん女性のソロトラベラーとしての視点での視察です。

 

皆さまのエジプト旅行にぜひ組み入れていただきたいナイル川クルーズ。悠久のナイルでエジプトの歴史をぜひご体感ください‼

 

 

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