新・世界七不思議の1つ - ペトラ遺跡 (ヨルダン)

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ヨルダンといえば、ペトラ。ペトラといえばヨルダン。…なのですが、有名過ぎて自分のブログやホームページではあまりアップする機会がないペトラの記事。なんせ「ヨルダン」と検索すれば、ペトラの写真はごまんと出てきます。なので、カメラ素人の私があえてペトラの写真を載せる必要もないかな…と思っていた節もあります。でも、やはりヨルダンを代表する遺跡ですからご紹介させていただきます。

 

まずは有名過ぎるこのアングルから。

シークと呼ばれる細長い通路を40分ほど歩きますと、岩の裂け目から見えてくるのは…エルハズネ(宝物殿)です。エルハズネの全体像は、この記事の途中でアップさせていただきますね。

 

ペトラは岩でできた遺跡で、あちらもこちらも見渡す限りの岩。実際、ペトラとはギリシャ語で「岩」という意味なのです。

 

この岩は太陽の当たり方によっても、気温によっても、時間帯によっても色を変えます。この記事では、いろいろな時期に行ったペトラ遺跡の写真を集めていますので、岩の色が全く異なります。ペトラ遺跡は別名「薔薇色の都市」とも称されます。これは太陽の光を受けて温まった岩がローズ色へと色を変えるため。ですから午後から夕刻にかけてが遺跡内が薔薇色に染まるとき。とても美しいです。

 

↓ 薔薇色のイメージとしては、こんな感じでしょうか。

 

 

ペトラの歴史に関しては諸説ありますし、遺跡では現在も発掘作業が行われています。発掘されるものによっては、これまでの通説がゴロッと覆されることも。ですから、ペトラに関してはまだまだ分かっていないことのほうが多いです。

 

現在一般的に言われているのは、ペトラは西暦前1世紀から西暦1-2世紀にかけて建設されたナバテア人の王国の首都だったということ。ナバテア人というのはもともと遊牧民族だったようですが、砂漠を横断するキャラバン (隊商隊) の安全を保証することで経済的な見返りを受けるようになり、とても潤うようになりました。

ちなみに、サウジアラビアには ”マダイン・サーレハ” と呼ばれるエリアがあります。ヨルダンにあるこのナバテア人の王国の延長だった場所。サウジのマダイン・サーレハもペトラと同じように世界遺産登録されています。とはいえ、ヨルダンのペトラはナバテア人の王国の首都だったという点では、まさに Authentic (本物) といえます。

 

さて、ペトラのビジターセンターから遺跡内に入ると緩やかな下り坂が続きます。遠くに見える岩のかたまり。ついに来た! と心が躍ります。途中で早速こんな遺跡が見えてきて、気持ちが高揚します。↓ こちらは「オベリスクの墓」と呼ばれている遺跡。

 

 

さていよいよペトラの目玉の一つであるシークに差し掛かります。シークとは岩山の裂け目のことで、もともとは1つの岩壁だったと思われるものが、地殻変動や地震などによってぱっかり空いたもの。両側にそそり立つ崖の高さは60-100メートルにもなります。長さは1.2キロほどで、40分ほどかかります。

 

 

 

岩の裂け目の広さは様々。狭かったり広かったり。ところでペトラの岩はミネラルをたっぷり含んでいますので、岩の中にいろいろな色が混じってマーブルのようになっています。

 

 

シークの中はほとんど直射日光が当たりませんので、夏でもひんやりしていて歩きやすい。シーク内は基本的には徒歩での移動ですが、馬車が走っています。歩き疲れた人は馬車を利用することもできます。

 

 

静かなシーク内にカツカツカツカツという馬の足音が響きわたります。動物愛好家の方々からは、馬を酷使しているというブーイングも出ているというのが本当のところですが、お時間が限られる方、遺跡内を歩きすぎてもうこれ以上どうしても歩けない…などの方々には助かるかもしれません。

 

さてシークも出口に近づきます。先ほどご紹介したように、岩の割れ間から現れるのは…エルハズネ(宝物殿)。

 

 

何度見ても、その美しさには息が止まります。何と繊細で、なんと絶妙なデザイン。このエルハズネは、西暦前1世紀にナバタイ人の王アレタス4世によって建設されたといわれています。お葬式の儀式を行うためのお墓、あるいは葬祭殿のようなものだったのではないかといわれています。エルハズネを含めてペトラ内の遺跡のほとんどは、岩を掘りぬいたもので、上から下に向かって岩の壁面を削りながら建設されました。

 

さてペトラ遺跡はエルハズネからさらに奥へ奥へと広がっています。歩いていくうちに下の写真のような絶景のパノラマを見ることができます。「王家の墓」と呼ばれるズラリと並んだお墓の数々。映画のロケ地に入り込んだかのような異次元の世界です。

 

 

幾つかのお墓をズームアップしてみます。

 

 

 

さて、遺跡のちょうど真ん中あたりに位置するのは、下の「カスル・アル・ビント」遺跡です。この遺跡周辺にレストランがありますので、ここで休憩してランチにされるか、あるいはさらに進んでいかれるかを決めていただけます。

 

 

カスル・アル・ビントから遺跡は主に上り坂となります。

 

 

ペトラ遺跡群を後にしながら、とにかく上へ上へと登っていきます。その階段の数は実に800段ともいわれています。が、誰が数えたのでしょう。

 

 

 道中には、こんな風に傾いた岩もあります。


無言で登っていきますが、ときどき振り返って見る遺跡内の風景は絶景で、同じ地球とは思えません。

 

 

岩山に次ぐ岩山…。ゴールはまだか~? と何度も問いながら、頂上にたどり着きます。待ち受けるのは…

 

 

 

エドディル(修道院)です。大きさではエルハズネを上回ります。ただし装飾はいたってシンプルです。完成することがなかったのかもしれません。ここにはカフェもありますので、エドディルを眺めながらティータイムにされても良いかもしれません。エドディルからはさらに幾つかの岩山に登っていただけます。高所恐怖症の方には向きませんが、かなりの絶壁、絶景です。

 

今回は王道のルートをご紹介しました。この王道のルートは丸1日あれば十分です。ルートを色々と変えてペトラ遺跡をさらに散策したいと思われる方は、2泊以上滞在されるようお勧めいたします。

 

それから週3回、夜に開催されるペトラ・バイ・ナイトも余力のある方にはお勧めです。月・水・金の週に3日のみ開催されています。ペトラ・バイ・ナイトは別名キャンドル・ナイトとも呼ばれ、遺跡内がシークからエルハズネまでキャンドルの明かりで照らされるものです。昼間とはまた違ったペトラの顔を楽しんでいただけるかと思います。

 

 

「死ぬ前に一度は見てみたい絶景」にも数えられるペトラ遺跡。確かに絶景です。私にとっては「死ぬほど見た遺跡」の1つでもあります(笑)。ヨルダンに住んでいた頃、友達を連れて、お客様のアテンドで、雑誌のコーディネートで…と数えきれないほど足を運びました。もう見たくない! と思うほど見てきましたが、しばらくすると懐かしくなるあの風景。また近いうちに行ける日を楽しみにしています。

 

 

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