壮大かつ優美-圧巻のバールベック (レバノン)

レバノンが「中東のパリ」と呼ばれていたこともあるというのは多くの方が知っておられることかと思います。でもイスラエルとの関係が悪いことに加えて、シリア難民が大量に流入したり、そして何より国内での宗派間の争いが散発的に起きたり…と落ち着かない国であることも事実。レバノンに足を延ばされるツーリストは本当に少ないと思います。

 

が、実際にレバノン入りしてみると不安要素はそれほど何もないように思えます。実際、私も2010年から2011年後半まで1年半滞在しましたが、ごく普通に日常生活が送れる国です。もちろんその後シリア難民が大量に押し寄せましたので、当時より人口過密、物価高騰などの影響があります。とはいえ、仕事でその後もレバノン入りしていましたが、観光にも全く問題ありません。

 

以前にご旅行くださったお客様からは、レバノンは食事も美味しいし、美人も多いし、遺跡もたくさんあるし、すごく良い国だった! というご感想をいただいたことも。とはいえ、宗教的にはヨルダンなど他の中東諸国よりはるかに複雑で、イスラエルとのごたごた、イスラム教のシーア派・スンニ派のごたごたもありますし、いつ何時何が起きるか予測がつかないというのも事実です。ご旅行をお考えの方は、不必要に心配される必要はありませんが、信頼できる旅行会社を通してのプランニングをお勧めいたします。

 

そんなレバノンが誇る遺跡の1つがバールベックです。バールベックはローマ時代の遺跡で、中東で最も保存状態が良い遺跡の一つとみなされています。この遺跡群、息を呑む美しさです。このバールベックでは、神業(かみわざ)並みの装飾が施された美しい遺跡を見ることができます。

 

 

バールベックは3つの神殿で成り立っています。ジュピター神殿、バッカス神殿、ビーナス神殿の3つ。この中でもバッカス神殿は当時そのままの様相でそそり立っています。

 

 

内部の装飾も凝っています。

 

 

そして、バッカス神殿の入口の装飾は圧巻。この優美な装飾がぐるっと門全体に施されています。どれくらいの時間がかかったんだろう…と思わずにはいられません。

 

 

それから柱廊。コリント式の柱がズラリと当時のまま並んでいます。柱廊の高い高い天井を見上げると、これまた手の込んだ装飾が天井一面を飾ります。下の写真では分かりにくいですが、繊細な銀細工のような装飾が施されています。

 

 

バッカス神殿の裏に回ると、倒れた柱や倒れかかった柱があります。柱の大きさをお伝えするために、自分を入れて撮ってみました。173センチの私でも、こんなちっぽけに見えます。こうした柱が天に向かって何本もそびえ立っているのですから、まさに圧巻です。

 

 

柱廊の上部にはこのようなライオンの彫り物が付いていました。雨が降った時には、このライオンの口から水が下に流れるようになっていたのだとか。

 

 

このバッカス神殿、アテネのパルテノン神殿の大きさを上回る規模なのだそう。バッカス神殿だけを今回ご紹介しました。ジュピター神殿は、このバッカス神殿よりさらに規模が大きいのですが、現在は6本の柱だけしか残っていません。ビーナス神殿は私が行ったときは修復中でした。

 

 

さて、このバールベックですが、入場料は10ドル。こぎれいで詳細な説明付きの小さな博物館もあります。このバールベックはイスラム教シーア派のエリアにあり、入り口周辺の露店では「ヒズボラ」(レバノンのテロリストともささやかれるシーア派過激派の武装組織)のTシャツなどが売られています。

 

ドキッとされるかもしれませんが、全然危険ではありませんので、ご安心を。ヒズボラは反欧米をモットーに、イスラエルに対抗するために立ち上げられた組織ですから、観光には全く問題ありません。また、ヒズボラのアラブたちもごくごく普通の人たち。ごく普通のお父さんであり、お母さんであり、若者であり…。これを思うと、なぜ人は、そして何のために争うのだろう、と思わずにいられません。

 

こんな風に政治的・宗教的にかなり複雑なレバノンですが、このバールベック、皆様にはぜひ足を一度はお運びいただきたい壮大かつ優美、稀有な遺跡なのであります。

 

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