ワディムジブ保護区でシークトレイル体験 | 死海のアドベンチャー・スポット (ヨルダン)

ヨルダン観光って、ペトラや死海だけ、と思っておられませんか? 日本人のお客様が回られるコースは大体決まっています。ペトラ、死海、ジェラシュなどを駆け足で。でも、ヨルダンにあるのはペトラだけではありません!! ヨルダンに来たらぜひご体験いただきたいのがムジブ保護区のシークトレイルです。

 

 

ムジブとはなんぞや? …それは要約しますと、「ペトラと温泉と死海を同時に楽しめるアドベンチャースポット」。とはいえ、これだけでは語弊があるかと思います。この記事ではムジブ保護区について詳しくご説明したいと思います。

 

ムジブは死海のリゾートホテル群からさらに30分ほど南下した場所にあり、位置的には死海の東側にあります。この地域は聖書の中では「アルノンの奔流の谷」と呼ばれています。ムジブにあるのは深く険しい峡谷。数多くの支流を集め、ヨルダン川を別にすれば、四季を通じて死海に注ぎ込む唯一の重要な流れとなっています。

 

赤茶色の砂岩が険しい断崖を形成し、鋭く切れ落ちて狭い谷の両側面にそそり立ちます。ペトラのシークを思わせますが、さらに高く険しい!! そう、アラビア語で「シーク」とは切り立った崖の間にある細い道のことです。ムジブのシークには四季を通じて涸れることのない澄んだ水の小さな流れがあって、沢山の魚が見られます。

 

 

ムジブを見ずしてヨルダンを見たとは言えない! ムジブは大人でもはしゃいでしまうアドベンチャースポット

 

 

この壮大な渓谷からあふれんばかりの水が死海へと注ぎます。ヨルダンは砂漠だなんて誰が言った?? このムジブをみるとヨルダンのイメージが変わりますよ。轟々と音をたてて流れる奔流に目を見張ります。

 

 

さてここで体験できるのは、幾つかのハイキング。大きく分けるとドライウォーキングとリバーウォーキングの2種類があります。つまり水に入るか入らないかの違い。

 

でもムジブといえば、やはり「リバーウォーキング」。「シークトレイル」というトレイル名で呼ばれます。この保護区は11月から3月末までは閉鎖されてしまいます。ドライウォーキングは冬でもご体験いただけるかもしれませんが、リバーウォーキングは春から夏にかけてだけ。なお、冬の時期に雨がたくさん降るとムジブ保護区の水かさは非常に増します。そのため4月になっても保護区が閉鎖されたままのこともありますし、反対に10月でも雨がたくさん降れば早々に閉鎖されることがあります。

 

このムジブのウォータートレイルですが、少し難易度が高いので18歳以下のお子様は残念ながらご参加いただけません。トレイルに参加する人すべてに救命ベストの着用が義務付けられています。ベストは貸し出し制です。以前はガイドが必要なトレイルでしたが、現在はコースがかなり整備されてガイドなしでも大丈夫です。といいますか…以前はほぼ無名のスポットだったのに、現在は外国人も地元のアラブも押し寄せる場所となってしまい、ガイドの数は到底足りません。あの静けさが懐かしいです。

 

最初は足首ほどの水の量も渓谷の中に入るにつれて水かさを増します。トレイルでは3つほどの大きな岩を乗り越えていっていただく必要があります。岩には階段やロープが整備されていますので、以前よりずっと楽に攻略できるようになりました。以前は途中で引き返す人もいたほど。とはいえ、水の量が多い時は降り注ぐ水を浴びながらのクライミングとなります。

 

↑ 難関が待ち受けるとも知らずに始まるシークトレイル…

 

トレイルの最後に待ち受けるのは、大きな大きな滝です。轟々と音を立てて岩肌を滑り落ち、下では水が逆巻いています。お互いの声が水にかき消されて全然聞こえません。忽然と姿を現すこの滝は、終着にふさわしい貫禄。トレイルを終えたご褒美です。最後まで進んだ人だけが見ることができるのです。

 

↑ トレイルの終着地点にある滝。ヨルダン=砂漠という概念を覆す迫力です。

 

 

川の中でゴロンと寝転がり、しばし休憩します。このまろやかな水に全身を浸しているだけで、デトックス効果抜群。実はこのムジブの水は、ハママトマインと同じ源からきています。温泉の水のように熱くはなく、生ぬるいのですが、成分は全く同じ。ミネラルをたっぷり含み、お肌にとても優しく浸透してきます。実際、このムジブ・ウォーキングの後はお肌がしっとりし、サラサラになります。

 

トレイルのゴールからは、元来た道を引き返します。登ってきた岩山を今度は滑り降りる形になります。トレイルにかかる時間は、3時間ほど。それほど長くありません。

 

↑ 風光明媚なムジブ。中東ならではの自然の姿です。

 

ヨルダン旅行にぜひ含めていただきたいこのトレイル。ただ先に書いたように18歳以下のお子様はご参加いただけませんし、オーバーツーリズム的なスポットになってしまった現在は、待ち時間が3時間や4時間になることも。挑戦したい方は、午前中の早い時間から始められることをお勧めします。ちなみに、ムジブ保護区のシャレーにご宿泊の場合 (https://picturesque-jordan.com/jordan-mujib/mujib-dead-sea-retreat/) は、朝早くからのご参加が容易になりますよ。

 

ここでシークトレイルにご参加の方へお持ち物などをまとめてみます。

 

■服装について

濡れても大丈夫なように軽装でご参加ください。サングラスなどの小物は出来るだけ置いていくようにしてください。水の流れが急なところで流される可能性があります。なお水着はお勧めできません。ただし下に水着を着たいと思われる場合は問題ありません。トレイルの後はお着替えが必要になりますので、着替えを車の中にご準備ください。

 

■靴について

一番理想的なのは、足にしっかりと固定できるウォーキング・サンダル。ビーチ・サンダルはお勧めできません。運動靴でも問題ありませんが、砂や小石がたくさん入りますので、何度か靴を脱いで小石を取り出すのが少々面倒です。

 

■お食事について

ムジブ保護区の道路向かいにあるシャレ―では、軽食を食べることができます。ただし正規のメニューではありません。サンドウィッチや水などをご持参になると良いでしょう。なお、ウォーキングの途中では食べることができません。

 

■その他必要なもの

写真を撮りたい方はカメラの防水カバー、お水などのボトルを入れたい方は防水リュックまたは濡れても良いリュックなどをお持ちください。

 

ヨルダン屈指のアドベンチャー・スポットであるムジブ保護区。お時間のある方はシークトレイルにぜひご挑戦ください。なおシークトレイル以外にもトレイルのコースはヨルダンにたくさんあります (中東から贈る千夜一夜物語の中でご紹介しています)。お子様でもご参加できるウォータートレイルもありますので、順次ご紹介していきたいと思っております。

 

 

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